2015-11-20

【開催報告】農村にしごと唄WS〜秋*いなきかけ唄の回〜

山粧う季節になりました。

休耕田を開墾して米づくりをしてきた私たちの田んぼも収穫が終わり、田んぼは冬支度に入りました。

今年の田んぼしごとが一段落したところで、遅ればせながら、、
10月10日−11日に開催した「農村にしごと唄ワークショップ〜秋*いなきかけ唄の回〜」ご報告です。

今年は、稲刈り前の日照不足で実りが遅く、本当はもう少し稲刈りを先延ばしにしたほうがよかったのですが、ワークショップの日程の都合で稲刈りを決行〜!

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秋の夕陽はつるべ落とし…午後5時半頃までが勝負。さてさて、すべて刈り取れるでしょうか!?

 

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鎌の使い方、身体の運び方、稲束の置き方、稲の束ね方・・・ほんのちょっとしたコツが意外に難しい。

 

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そして、これらが出来ないと、とにかく効率がよくなく、心身ともに疲れてしまう。
田植えの時はとにかく元気だったみんなも、今回の不慣れな稲刈り作業はツラいようで、言葉数も少なく、休憩する回数も多め(笑)。

百姓の知恵は細部に宿るというか。

現代を生きる私たちは、自然と生きる技術にふれるチャンスをなくしてしまってきたんだ…ということを痛感させられます。

 

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カヤネズミの巣。ちゃんといるんだー!とうれしくなりました。(刈ってしまってごめんね。。)

稲をかけるスペースが出来たら「稲架(いなき)」を立てます。

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稲を天日干しにする作業は、地域によってさまざまな呼ばれ方があって、兵庫県の瀬戸内側では「稲架かけ(いなきかけ)」といいます。ここ播州の平野部は、比較的穏やかな気候なので、稲架の組み方は非常にシンプルです。
(とはいえ、台風が来れば倒れるので、百姓は収穫まで冷や冷や、気が抜けません。)

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太鼓唄 七海さんたちが「いなきかけ唄」を太鼓と笛とともに奏でてバックアップしてくれます。

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「うとて はりおうて はよしもといて

よあそびにゃいこう さまのちょうへ」

 

実は、この歌詞の意味が、七海さんをはじめ、当初はっきりとつかめずにいたのですが、
現場にて、地元の方と一緒に口ずさんでいるなかで、意味がわかってきました。

 

播州弁で。

「唄って 張り合って(競い合って) はやく終わらせて

夜遊びに行こうよ あの子のところへ」

 

稲架かけ作業を実際にやってみるとわかりますが、

本当に、単調で、エンドレスで、大変なしごと。

日が暮れたからって、帰ることは許されないしごとです。
(刈った稲は濡らさずにすぐに干さないとダメ。)

 

「稲刈りは(手元がみえる)明るいうちにして、

稲掛けは(暗くてもできる作業だから)お月さんにみてもらいながらするもんやー」

と、手伝ってくれた地元のおじさんが話してくれました。

 

あーほんと、うたいながらテンポをあげて、少しでも早く終わらせようとした古のお百姓さんの気持ち、
よーくわかります!!

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みんなでせっせと稲掛けしましたが・・・やっぱり素人。

身体の運び方がなっていない、というのもありますが、

素人の作った稲束は大きさも置き方も不揃いなため、作業のすべてがぎこちない…
流れに乗ることができず、ちゃっちゃと作業を進めることができません。

 

野良しごとがあって、唄があって。

仕事唄は聞くものでも教えられるものでもなく、自ずから生まれて、自らが唄うもの。

仕事唄の中に息づく「しごと」を、私はもっとみんなと体験したいと思いました。

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稲刈り&稲架かけを体験した次の日は、太鼓唄 七海さんナビゲートの「唄づくりワークショップ」です。

 

6月の田植え唄の回のときは、唄の“音”がどんなふうに生まれてくるのか?ということに注目しましたが、
今回は“ことば(詞)”に注目です。

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「うとて はりおうて〜」と唄ったお百姓さんと同じように、
昨日の体験と、今の自分、周りの様子などをひっくるめて、それぞれオリジナルの歌詞づくりにチャレンジです。

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家族を思いやることば。

愛しい人とはたらくことを悦ぶことば。

新米を食べる様子を想像することば。

祭り囃子に惹かれる様子を唄うことば。

 

個性と、体温のある歌詞が生まれました。

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同じ場所で、同じ作業をしていたけれど、

みんなそれぞれ、いろんなことを想いながら稲架かけをしていたんだなぁ…

 

それぞれの想いがあったかく染みてくる合唱会になりました。

 

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おひるごはんは、おっこ食堂・かよこさんが心をこめて作ってくださったベジランチ。

あぁおいしい。しあわせ〜。

 

おひるごはんの後は、地元の神社の秋祭りを訪ねました。

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ふだんは人の少ない我が農村ですが、今日はきっと一年で最もにぎやかなハレの日。

村人も、外からあそびにきている人たちも、本当にいい顔をしています。

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一緒に田んぼしごとをして、唄をうたった仲間と過ごすお祭りはなんとも豊かで。

秋祭りも唄も同じように、そこに暮らす人々のものであって、
農村の暮らしとつながっているものなんだなということを、大勢の人々の間で実感しました。

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お祭り終了後。

太鼓屋台を解体するところまで、WS参加のみんなとかぶりつきで見学。

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解体後の屋台の様子は、自主規制で写真掲載は止めておきます(笑)。

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屋台の中には、もちろん大太鼓があります。
この太鼓は屋台から取り外し、来年のお祭り当番の集落にて大切に保管されます。

 

地元の小さなお祭り、私にとっては目新しいわけではないのですが、
WS参加のみんながおもしろい!と言ってくれてとてもうれしかった。
みんなが来てくれることで、当たり前にみえる農村の暮らしが輝いてみえます。
来てくれて、ありがとう。

 

10月「いなきかけ唄の回」ワークショップの後、11月に脱穀ともみすり作業をして、
みんなで育てたお米の準備ができました!

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お日さまと水と土と風と森の恵みをいっぱいいただいて、無農薬・天日干し・仕事唄をきいて育ったヒノヒカリ。

感謝の気持ちでいっぱいです。
育てさせてくれてありがとう。

(今年の収量は少なめでしたが、まだ若干お譲りできる新米があります。食べてみたい!という方はどうぞご相談くださいませ。)

 

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